昨年、心身を病んでトラブル続きだった時(こういう時こそ自分に対する人間の真の評価や姿が判るものだ)、中山氏の本を何冊か手に取った。書いてある事は、ごく当たり前の事。だが、日常生活に取り紛れつい忘れがちになってしまう物ばかりだった。 幸いにも、神経を磨り減らす一方の人間関係を絶った直後から、私の体調は急激に回復に向かった。多分、私の「心の吸血鬼」たちは、自分たちがそんなにも他人に気を遣わせ、他人の神経を悪くさせるほど苦しめ疲れさせる性格の持ち主とは、現在も微塵も感じていないだろう。
今年に入って、この本の出版元である幻冬舎は著者の作品のフェアを行った。
当たり前で失いやすいことを再確認できる機会が、多くの人に与えられた事を嬉しく感じた。この本!には「今の自分を知る」「楽しく人と会える自分になる」「自分らしく夢を実現してゆく」など、誰にでも必要なちょっとしたコツがレクチャーされている。それは、素直にすぅっと心に入っていく易しい文章で、決して押し付けがましさはない。
特にいつも「時間が無かった」を常に言い訳に使い、それで全てが赦されると思っているどうしようもない人には(誰にだって与えられている1日の時間は24時間で、誰だって毎日・毎時間暇なわけではないのだ)、「賢い時間の作り方」という章を熟読して学んでほしいと思う。